2010-03-20から1日間の記事一覧

【0】指切りげんまん

下手な解釈を施さずに、ひたすら“あったること”でほとんどをまとめ上げた点は評価できる。 この種の話は類話が多く、この作品の場合も途中で結末が分かってしまったが、その類話の多くは現れた霊体を善悪どちらかのカテゴリーにはめ込むことでストーリーを展…

【−2】ガシリ

怪異についての具象性に欠けるために、かなりのマイナス評価とさせていただいた。 最も致命的なのは、髪の毛のボリュームが判らないので、髪の毛の中で手を掴まれるというイメージが非常にしづらくなってしまった点である。 かなり髪の長い人だろうとは推測…

【+2】もじゃっ

いわゆる色情霊・性霊と呼ばれる霊体の仕業のようにも見えるが、それらの霊特有の攻撃性や執拗さがあまり感じられないため(色情霊は男女問わず、欲望のまま“精を吸い尽くす”というのが基本行動とされる)、もしかすると相手の男性の“生霊”がなせる怪異とい…

【+1】僅かの隙間

隙間から全く別の“異界”が広がるという話は割とよくある話であるが、扉の隙間が動かなくなってこのような現象が起こるというのは初見であると思う。 しかもこの作品における怪異は、体験者とその母親が全く同じシチュエーションで遭遇しているために、非常に…

【−1】五百円玉

もしこれが創作もOKの怪談の大会に出された作品であるならば、おそらく高く評価していたと思う。 過去に犯した自らの罪に対する良心の呵責とも言える、先輩の腕のあやかしを目撃して恐れおののく体験者の心理が嫌が上でも理解できるからである。 体験者が…