2010-04-23から1日間の記事一覧

【−1】パラパラ

怪異の内容から考えると、本来は“投げっぱなし”怪談とすべきだったものを、変な引っ張り方をして却って胡散臭いものにしてしまったように思う。 おそらく体験者自身がスキャン前の現物を見ることはないので敢えてその部分はパスするとしても、その映し出され…

【+1】擬態

最初に突っ込んでおくが、タイトルは明らかに誤り、怪異の内容からすれば『擬声』あるいは『擬音』とするべきだろう(“擬態”はあるものの形状を真似ることであり、決して鳴き声を真似する場合には使わない)。 展開であるが、体験者が“耳鳴り”についてかなり…

【+3】コロコロ

幼い子どもが体験した怪異であるが、実に希少でなおかつほのぼのとした印象が強く、まさに“現代民話”と言ってもあながちおかしくないような話である。 出てきたものが“直径50cm”の丸い形をした品物ばかり、それがコロコロと目の前を通り過ぎるだけの怪異で…

【−5】まさか

全く関連性のないものを無理やり繋ぎ合わせようとして失敗した作品であると言える。 体験者の身の上に起こった“体調不良”が、果たして取引先の社長の自殺とどう関係あるのかの決定的な根拠が全くと言っていいほど提示されていない。 ほとんど同時と言ってい…

【0】抽斗より

良い意味でも悪い意味でも、安定感のある怪異の内容である。 全体の構成や文章の長さも怪異のレベルに合っており、怪異の本質を損なうことなくしっかりと書かれていると言えるだろう。 抽斗から腕が伸びて何かをやっているという展開は、怪談としてはある意…