2011-02-13から1日間の記事一覧

『目玉焼き』

“小さいおっさん”目撃談である。ネタのレベルから言えば、この作品のようにサラリと“投げっぱなし怪談”としてまとめてしまうのが無難であると言えよう。しかし、それ以上の期待も出来ないし、ある意味怪談としての評価レベルはたかが知れており、意表を衝く…

『落ちる』

結論から言ってしまうと、主人公である体験者の心理描写が饒舌すぎて、怪異譚としての雰囲気がかなり薄れてしまったように感じる。体験者が怪異に対してどのような感覚で相対したのかをしっかりと書くことは吝かではないが、ただそれが過剰になってしまうと…

『小さな主張』

作品の構成で言えば、まさに松村進吉氏の“フラグメント”形式を意識して書かれたのは間違いないところである。断片的な怪異体験を1つのエピソードに詰め合わせることで、何らかの符丁なり因果なりを浮き上がらせる、あるいはそれらの怪異の背後に潜むもっと…

ちょっと手直し

今までの講評した作品の評点の見直しを実行。理由は、このブログでの評点は+6〜−6までの13段階評価で行くと言いながら、一部の作品で+4〜−4までの9段階評価を強く意識したものがあると判断したため。またこの段階刻みのズレが、そのまま基準となる…