2011-03-31から1日間の記事一覧

『ちゃんかちゃんか』

不思議系の怪異であるが、とにかく謎の多いあやかしである。霊体であるのか妖怪であるのかも不明であるし、何を目的にしているのかも実際には分からない(体験者の推測では神社へ向かっているのだが、それもあくまで“祭り”のイメージから来る憶測に近いもの…

『会社からみえたもの』

一人称独白体の悪い部分がかなりきつく出ている作品と言える。はっきり言ってしまえば“自意識過剰”の文章である。つまり“あったること”を書くのではなく、“見える”人としての自覚の下に、己の体験した実例を挙げて、思うところをつらつらと書いた自己主張型…

『大人の対応』

いわゆる“見える”人の体験談の中でも、定番中の定番と言える内容である。それ故に“大人の対応”という変化球を投じても、特に何かが変わるというわけでもなく、結局のところありきたりという評価を覆すことは無理だったということになる。 この手の話の場合、…

『夏の踏切』

全体的な印象としては、ストーリー重視の怪奇譚という感じであり、筆力がある分だけ読み手を引っ張ることが出来たように思う。それなりの緊迫感を維持出来たことが、好結果に繋がったのではないだろうか。 怪異の中心は“憑依”であるが、このジャンルの作品に…

『信じない』

起こっている怪異は様々であり、それなりに何かを臭わせる内容であると思う。土地にまつわる噂、室内で起こった叩音現象やポルターガイスト現象、隣人の自殺、そして老婆の現れる夢と家族の一致。これだけの怪異が頻発すれば、何らかの障りがあると感じても…