2007-03-24から1日間の記事一覧

【+2】右横

第一印象は「実話」と「実話怪談」との境界線上にある作品、別の言い方をすれば「純然たる“あったること”だけを記した」作品である。 まさに体験者の話の要点だけをしっかりとまとめ上げたという感じである。 だから「怪談話」としての捻りや構成の妙と言っ…

【0】仏花

非常にイメージしやすい内容であり、それ故に「さもありなん」で終わってしまったように感じる。 どうしても“菊の花=人の死”というイメージが先行してしまうのが原因であると思う。 実話だからどうしようもないのだが、この作品では“あったること”を書くだ…

【+3】啓示

動物というものは、人間によって反自然的に死を迎えると、故意・過失にかかわらず祟る。 自らの寿命を全うさせてもらえなかったことに対する怨念には分別のかけらなどないから、徹底的に祟りまくる。 (道端に轢き殺された動物を見ても「かわいそう」などと…

【−1】むにょん

怪異以前に、状況そのものが今ひとつ把握できなかった。 “電車から降りる時の段差”というものがどこを指すのかがどうもわからない。 (いろいろと考えてみたのだが、最終的には、旧式のディーゼル車のような階段状のステップのある電車ではないかという結論…

【−2】老けた

かいつまんで言えば、“見える”人が知り合いの死を夢の中で追体験したという内容。 死んだ者が体験者にとって非常に近しい存在であるために非常に感傷的になっているように見えるが、そのくせ非常に巧妙な構成で怪異の内容をなかなか明かさないような冷静な計…

【+1】トライアングル

これだけ短い作品で、読者が混乱してしまう構成はさすがにいただけない。 4〜6行目の部分が、誰が誰に向かって喋っているのか非常に分かりづらいために、ここで完全に立ち止まってしまった(特に4行目の「きれいなお姉ちゃん…」のくだりはいまだに誰のセ…