2008-03-14から1日間の記事一覧

【−5】トイレの花子さん

結論から言えば、これは読者を想定した“怪談”作品ではないということである。 まさしく未編集のフィルムを時系列的につなぎ合わせただけの内容に等しく、作者の意図は十分中に示されているのは確かであるが、読者に対して“見せ場”も何もあったものはないとい…

【+1】置き土産

夕方に道の真ん中に立つ霊、夜中に繰り返されるノック、そして霊の出自と、それなりに面白いネタの展開がありそうなのであるが、印象が薄い。 はっきり言えば、霊の容姿に関する表記以外にほとんど描写が使われていないために、説明一本槍で単調なテンポにな…

【+2】いいにおいの

怪異としては非常に小粒感が否めないレベルなのであるが(弟が現実に戻った時と私の声掛けとのタイムラグが曖昧なので、生身の人間の仕業という疑念も生じるレベル)、とにかく全体を通しての情緒が怪異であることを補強しているとしか言いようがない。 まさ…

【+2】怒りの一撃

おおむね怪異の本質にあった書きぶりであり、それなりに好印象である。 ただどうしても怪異そのもののレベルが小粒で且つよくあるパターンなので、あまり評点が伸びなかった。 細かな指摘をすると、スーパーで目撃した霊の容姿をもっと詳細に書いた方がより…

【0】配管の上を

ある一定期間規則正しく現れる怪異ということで、なかなか貴重な体験であると思う。 だが、書かれている内容が大雑把としか言いようがなく、色々な点でつっかえてしまった。 たとえば、最初の“素足で歩いている”と認識した時に“素足の方がいいのかな”と体験…

【+3】八百万

とにかく希少性でいえば、希有と評してよほど珍しい。 というよりも、体内にそのような神様達が入ってくるような体験者に興味津々である。 しかもその神様達が黒い煙と一緒に股間からお出ましになるというのだから、創作でもそう簡単に思いつくようなレベル…