2008-02-27から1日間の記事一覧

【0】カマキリ

車中で起こった怪異については希少性も高いと思うし、非常にインパクトの強い内容であるという印象である。 ところが問題は、この怪異に対して理由付けをしてしまったために、微妙に整合性を失ってしまうという結果を招いてしまった点である。 作品を読むと…

【+1】自己暗示

突拍子もない不条理怪談であり、体験者の反応も併せて巧くさばいた書き方であると思う。 ただ難点を挙げるならば、体験者が完全にしらふの状態で体験しているのかという疑念が残る(ほろ酔い加減で帰ってきて、再び家で缶ビールをもう1本という状況とも取れ…

【−1】母の霊体験

正直なところ、最後のオチに対してどう反応したらいいのか困惑してしまった。 “金縛り”ネタなので、何かしらの捻りが必要という配慮から出してきたものであると推察するが、完全に滑ってしまったという印象である。 やはり恐怖感を引き出す書き方をしていて…

【+4】中陰

内容としては、大ネタクラスの傑作として十分というところなのであるが、全体的な構成の部分と一部内容の点で評価を下げさせていただいた。 当事者を含めて7名もの人間が死ぬという展開であるので、どうしても途中から状況説明がはしょられてしまった感が強…

【+1】痣

水場の怪異で、何ものかに引きずり込まれそうになって痣が出来るという話は定番の一つといって間違いないところであるが、腰にしがみつかれるようにして痣が出来るという話は非常に希少性が高い。 ただ、腰に出来た痣ということであれば、水着に覆われた部分…

【+1】愛撫

怪異のレベルとしては非常に些細で且つ平凡なものであるが、その怪異に合った適切な書き方で表記しているので、なかなか好印象な作品である。 また状況に関する情報がコンパクトであり、理想的な“1ページ怪談”であるとも言えるだろう。 特に印象に残ったの…

【0】テレビ

怪異としては非常に面白いものを感じさせてくれる内容である。 また作者自身も、怪異を客観的に成立させるための工夫として、単なる見間違いや寝ぼけていた錯覚ではないことを強調するために、ブラウン管に映った自分の姿について詳細を書いてみたりしている…

【−4】集うもの

いわゆる“見える”人の話のパターンで、悪い部類に属するものである。 この作品内で客観的に確実に怪異と言える現象は何一つ起こっておらず、結局全ては“見える”友達の主観的な証言によってのみ成立しているだけである。 しかもその証言自体も、部屋を指さし…