2009-02-18から1日間の記事一覧

【0】お粗末な幽体離脱

怪談話の作品というよりも、エッセイに近いレポートという感じがした。 特に最後の部分で自分の感想や思いというものを読者に伝えることの方が主眼となっていると判断出来るので、そういう印象を受けたのだと思う。 ただ、やはり“幽体離脱ネタ”ということで…

【+1】峠の守護

2つの話とも不思議なことが起こった場所にお地蔵様があったということであるから、何らかの加護があったと判断するのが妥当であると思う。 だがこのように個人が特定の神仏から加護を受けているという話の場合、どうしてもその背景に何らかの縁が存在してい…

【0】ホットケーキ

“不条理系投げっぱなし怪談”の典型的な作品である。 ただし起こった怪異も小粒であるし、最後にはあやかしが出てきたホットケーキを旦那に食べさせているので、あまり大したことのないものという印象で終わってしまった。 表記内容についても取りたてて決定…

【−1】猫の目

猫の目に霊が映っていたというエピソードも、二階のベランダに男の首だけがフラフラと浮かんでいたというエピソードも、どちらも多くの類話があり、その2つが重なったとしても取りたてて新鮮味がないところである。 怪異のレベルとしては、ごくあっさりとし…

【+3】次は何だ。

自分の知らない相手から名指しで呼ばれるというのはそれだけで恐怖であるし、ましてやその相手が得体の知れないものであれば恐怖はなおさらである。 そして名指しした者の予告した内容と一致する不幸に遭遇したならば、恐怖という言葉だけでは済まされない何…

【−2】温泉

“あったること”のインパクトで勝負するタイプの怪談話であるが、文体が全てをぶち壊してしまっている。 語り口調の“ですます体”なので、テンポがゆったりとしすぎて全体に間延びしている印象が強く、そこに一発芸的なインパクトのある怪異を突っ込んだとして…

【0】ばたばた

非常に緊迫感のある展開であると思うと同時に、その緊迫感の原因があやかしとの遭遇に怯える体験者の必死さにあるために、怪異そのものの強烈さよりもあやかしを見まいとして行動する体験者の方に焦点が当たりすぎた感が強い。 体験者が恐怖を感じ、そしてそ…

【−1】仕返し?

耳元で大声がしたというのは明らかに怪異として認められるが、その前提として置かれている“ラップ音”については大きく引っ掛かった。 タイトルで“仕返し”と明記している以上、このラップ音と大声との間に因果関係があると見ている、つまりラップ音も怪現象で…

【+3】魅入られし者

“見える人”であるが故に余計な恐怖にさいなまれてしまう典型的なパターンである。 体験者自身が霊に襲われることもなく、最後まで傍観者の立場に立ったままの体験にもかかわらず、非常に恐ろしい印象を与えることに成功している。 冒頭で体験者が霊に対して…